笑顔が咲いた日

宝島の咲く可憐な花

 

学校の体育館に続々と集まってくる人たち。
一様にやわらかな笑顔を浮かべて、うきうきしています。
 
この日4月6日は宝島小中学校の入学式。
ここでクイズ ♪ 人口約140人の宝島ですが、子供は何人くらいいると思いますか?

① 8人  ② 19人  ③ 31人  ④ 160人(なワケない)
 
正解は・・・・・
 
③ 31人です!(^^)!

少子高齢化が進む日本社会ですが、宝島は人口の約22%が0〜15歳の子供です。
(2018年4月現在。高校がないのでいちばん年長は15歳)
昨年は出産ラッシュでした。
6人の赤ちゃんが誕生し、今年もすでに1人生まれています(^^)♪

ちなみに2016年1年間の人口増減率をランキング化したデータによると、
(出典:人口増減率ランキング2017ーー全国TOP50・日経BP社)
十島村は全国で3位。トップクラスです。
(1位は沖縄の与那国町、2位は北海道の赤井川村)

7つの有人島からなる十島村の人口は、2018年3月現在で664人。
最多が中之島の160人、最少が小宝島の51人です。

過去、最も多い時は3,394人の人が暮らしていました。1952年(昭和27年)のことです。
そこから高度成長期を経て、人口は減少していきます。

2011年(平成23年)には601人になり、およそ60年間で82.3%減少しました。
その後、Uターンや移住者がじわりじわりと増えていき、2012年を境に増加が続いています。

辺境の地に居を構える人々が増えている・・・(私自身もそうですが)
その背景を考えるとさまざま思いは広がっていきますが、それはまた別の機会にして
 
話を戻しましょう。入学式です!
今年の新入生は小学生5名、中学生1名。

当日は肌寒い雨模様でしたが、島民や遠路はるばる訪れた親戚の人たち約50人が
集まりました。

島の大人たちはみな、自分の家の子でもそうでなくても
子供たちを気にかけ、
かわいがっています。
島全体が「宝島家」という大きな家族のようなかんじ。
かと言ってプライバシーにずかずか入り込んでくることはなく、
みんなの距離が
絶妙に「程よく近い」のです。心地よい距離感。
島民は誰もが顔見知りなので、道で会う人全員と笑顔で挨拶し合います。

子供たちもそんな、家族以外の人々との境界線が薄くやわらかい環境で育つので、
島の人たちはみな年代関係なく身近な存在。

子供の成長を見てきた大人たちもまた、入学式を我が事のように感じます。
「ちゃんと挨拶できるかしら?」とハラハラしたり、生まれた時から知っている子が
ランドセルを背負っている姿を見てジーーンときたり。


午前10時。

式が始まりました。


入学式の入場シーン

 

 

 

 

 

 

入場シーンではやや緊張ぎみの子供たちでしたが、式が始まると真剣な表情で校長先生や
来賓の祝辞に聞き入っています。
会場のみんなに向かってひとりひとり挨拶をする場面では、どの子もすくっと立ち上がり

「お勉強をがんばります!」
「挨拶をがんばります!」

と元気いっぱいに抱負を述べていました。それを見守る人たちはみな、にこにこ顔。
幸せムードあふれる空気が、ふわりふわりと体育館いっぱいに浮かんでいきます。
目に見えない花がたくさん咲いているような光景でした。

校歌を歌う新入生たちの、はずむような声の響き。
きらきらと澄んだ瞳、生き生きとした表情。
その様を見ていたら、たまらなく愛しい気持ちに。

 

入学式で校歌を歌う新入生

 

 

 

 

 

 

退場の時には立派に式をこなして安堵したのか、表情をほころばせ笑顔を見せる新入生たち。
拍手で見送る人たちの顔にも、よりいっそうの笑顔。
満面の笑みという花があちこちに開きました。

子供も大人も全員がにこにこの入学式。

式を終えた新・小学1年生5人は教室へ。
机の上にはぴかぴかの教材。小さなイスにぴんと背筋を伸ばして座り、
先生の話に集中しています。

「学校は何をするところですか?」
先生の問いに口々に

「お勉強ー!」

「そうですね (^^) お勉強以外には何をするところだろう?」

「友達と仲よくするー!」
「給食を食べるー!!」

なんてかわいいんだ!

現在、小中学校は小1以外は各学年1〜2人なので、複式学級で学んでいます。
学校行事も全校生徒みんな一緒。

上級生は下級生の面倒を見ながら、自身も成長していきます。
小学校高学年くらいになると、道で久しぶりに会って
「大人っぽくなったなあ〜」と驚くことも。


入学式が行われる4月といえば春。そして、桜。
 
宝島には4月に咲く桜はありません。
あるのは2月頃に咲く緋寒桜。
4月になると春特有の寒暖の差はあるものの、太陽はすでに夏服に衣替えをすませ、
初夏の風情です。
「春」という季節は希薄な土地かもしれません。

 
でも、この日。
暖かな日差しも桜もありませんでしたが、式場は春でした。

春そのものの香りとやさしい風に染まっていました。

新入生の初々しい心。
それを祝う人たちの思い。
うれしさや喜びから醸し出される、人が作り出す「春」・・・

これから学校でさまざまな経験をしていくなかで、子供たちはどんなふうに成長していくのか
大人たちはみな、楽しみにしています。

おめでとう、新入生のみんな!


教室で先生の話を聞く新入生の子供たち

 

 

 

 

 

 

 

 

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