婦人会と月桃

みんなでハイキングへ

 

お気づきですよね。ヘミングウェイの「老人と海」を意識したタイトルです!(^^)!

月桃(げっとう)
。九州南部~沖縄に生息する植物で、草丈は1~2メートル。
葉はすっとした細身の楕円形で、大きいものだと長さ50cmほど。
すっきりとした独特の芳香を放ちます。
ショウガ科なので、名前に似合わずエッジの効いたシャープな香り。
花は白く房状に垂れ下がり、つぼみの先はやわらかなコーラルピンク。
絵具をつけた筆先のようで、どことなくオリエンタルで優美な姿をしています。

 

月桃の花

 

「老人と海」では、3ヶ月近く何も釣れずにいる漁師のサンチャゴが
今日も沖へと船を出します。
久しぶりにかかってきたのは、5m以上もあろうかという巨大カジキ・・・

今回の話題は、このカジキを仕留めるために4日間闘い続けた
サンチャゴのごとく、幻の月桃を求めて島をさまよい、
トカラハブと死闘を繰り広げる婦人会のメンバーたち。
ついには深い森の奥で、10mを超える月桃の群生地に辿り着くのです・・・

・・・なわけない (^_^;)


実際は島のいたる所に自生している月桃。
様々な効果や作用があることで知られ、健康食品やコスメの原料としても
見かけることがあるかと思います。

いくつか紹介すると、ポリフェノールは赤ワインの34倍。
高い抗酸化作用があり、食物繊維も含んでいます。
そのほか血行促進、便秘解消、抗菌作用に防虫効果。
疲労の回復やリラックス効果も。

葉や実から作る月桃茶はノンカフェイン。
寝る前に飲めば疲労回復やリラックス効果と相まって、
心地よく入眠できることでしょう。たぶん ♪(←α波系メロディ)

さらには保湿や美白など、美肌効果もあると言われています。
わー!月桃ってすごいー!

あ~、月桃セールスマンみたいになってきた(笑)
このへんでやめよう。興味を持たれた方は調べてみてください~。


そして、宝島婦人会。
現在30代~60代まで25名が在籍しています。
昨年の春、月に一度行われる定例会で、

「せっかく自然豊かな島に住んでいるのだから、島のものを使って
何か作ってみよう!それを外に向けて販売してみよう!」
という話になり、月桃の葉でお茶作りに挑戦することに。

と言ってもメンバーのほとんどが小さな子供がいたり、仕事を持っています。
「自分たちでできるペースで、できる範囲でやろうね」
ということで、ゆるりと始めました。


5月。まずは月桃の葉を採るところから活動開始です。

せっかくの機会。
子供たちも参加して、みんなでハイキングへ行きながら

帰り道で月桃の葉を採ることにしました。

当日は爽やかで気持ちよい晴天。
総勢20名でおやつを持って、牧場まで約2時間のハイキング。
子供たちはいつもは滅多に通ることのない、
牛を間近で見ることのできるコースにハイテンション!
はしゃぎながら大人たちの前を走っていきます。

帰り道、月桃を見つけてはハサミで葉を切り、
帰ってきました。
大人にとっても子供にとっても楽しい時間になりました。

その後は一同に集まるのは難しく、各自で時間を見つけては
ちょこちょこ葉を採りに。
初めてゆえ、どれくらい採ればどれだけできるのかもわからずでしたが、
気づけば1,000枚を超えていました。


葉の採取もひと段落した7月。

時間をやりくりして集まり、いよいよ月桃茶作りの始動です。
お茶作りをするのは、島にある「生活センター」という施設内の調理室。

初めてここに足を踏み入れた時は驚きました。
業務用の蒸し器や大鍋、食品加工用の大型乾燥機など、
その気になれば誰でも食品加工が始められる、充実した設備。

宝島のおみやげとして名高い、島バナナのコンフィチュールも
製造者の本名さん夫妻がここで作っています。

月桃茶作りの最初は葉を丁寧に1枚1枚洗い、
水分を取るところから。

その後、葉脈を切り取りトレイに並べたら、乾燥機へ投入!

ちなみにトレイは60cm×120cmサイズで、
乾燥機には最大で30段入ります。
ぴっちりと葉を並べて、約5時間乾燥させます。
この乾燥時間も試行錯誤のうえ、たどりついた時間でした。

乾燥機のスイッチを入れると、ほどなくして辺りは月桃の香りでいっぱいに。
その爽やかな芳香は調理室を越え、建物の出入口まで広がっていきます。

 

調理室にある食品乾燥機



 

 

 

 

 

メンバーのほとんどが月桃茶を飲んだことはなく、
期待と不安が混ざり合いながらの作業でしたが、
漂う香りが期待を膨らませてくれます。

乾燥の後は、葉を細かくする作業。
ミキサーやフードプロセッサ、手などいろいろ試した結果、「手」が一番ムラなく、
ほどよい大きさになることを発見。

手袋を緑色に染めながら、ひたすら葉を細かくし、
グラム数を計り、密封袋へ入れます。
そこへ素早く脱酸素剤を入れて、業務用シーラーで密封。

ここは手分けしての流れ作業。月桃の香りが充満する室内で、
みんな黙々と己の任務を遂行していました。
(初めてゆえのどきどき感も流れてた)

月桃茶などハーブティーは、コーヒーや紅茶のように万人受けすると言うより、
好みが分かれる飲み物でもあります。
容量は気軽に試せて、価格も抑えられる10gにし
全部で約200袋ができました。

ラベルも婦人会のメンバーがデザインし、完成したのがこちら!
ジャカジャン ♬

 

婦人会で作った月桃茶

 

 

 

 

 

余った分をみんなで試飲してみました。
ドキドキしつつ口に含むと、爽やかな香りが風のように
体内を吹き抜けていきます。

「あ、私この味いける。好き」
「いい匂い~(^^)」

「おいしいねー」

みんなから笑顔がこぼれました。
宝島産月桃茶、なんだかふっと神経が緩むような味です

確かにリラックス効果があるような。


販売については、まずは目標にしていた10月開催の
「トカラ列島島めぐりマラソン大会」で。


会場に設けられた、トカラ列島の特産品を販売するブースに
置かせてもらいました。1つ ¥350 です。

結果は一番人気とまではいかなかったものの、
約40個近くをお買い上げいただきました(^^)
(ぶっちぎりの一番人気は、知る人ぞ知る悪石島の「悪Tシャツ」)

そして1ヶ月後。
「マラソン大会で買って、美味しかったので10個買いたいのですが
 送ってもらえますか?」

というお電話が!
わーー!ありがとうございますっっ!!


昨年末からは定期船のフェリーとしまの売店で
販売を開始しました。
なかなか順調な売れ行きで、残りはあと16個。


巷の売れ筋製品に比べれば、ちっちゃーいレベルですが
婦人会のみんなで、島のものを使って企画・製造して、販売できた。
買ってくださった人がいた。美味しいと言ってくれた。

それで満足です。
売りまくって月桃御殿、もしくは月桃ビルを島内に建てよう!
というような野望は誰も持っていないので(笑)
これからもこのペースで
継続していけたらと考えています。


冬の訪れとともに、月桃は実も落ち、葉も枯れていきましたが
年があけて、若葉がちらほら顔を出しています。

また春になったら、みんなでわいわい月桃の葉を採りに行こうと思います。

あ。島を訪れる方で、参加したいという方はぜひご一緒しましょ!
地元の婦人会のメンバーと月桃茶を作って飲んでみるのも、
旅の楽しみ方のひとつとして、悪くないと思います(*^^*)

そして、ハーブティーがお好きな方。
もしもフェリーで見かけたら、ぜひ試しに飲んでみてくださいね~



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